だって昭和が好きなんだもの 服部時計店 ALBA

他人から見たらなんてことないものでも所有している者からしたら思い入れのあるものがある。

例えばミーにとっては子供の頃にやたらとブレイクした腕時計『ALBA』。
ちょいとおませな小中学生の腕には必ずキラリと輝いてた憧れのアイテム『ALBA』。

まだ当時家庭用のゲーム機はチビッコたちに激震を与えたファミリーコンピューターの発売前の黎明期。
子供同士の遊びは人生ゲームに野球盤などまだまだアナログだった時代に徐々に電子のゲームがチビッコたちに浸透、戦隊ヒーローも『電子戦隊 デンジマン』と電子前面推し。とか言いながらデンジマンは鉄板をはめ込んだグローブで殴る(デンジパンチ)とか電子の世界には程遠いアナログな戦士たちだったような気がするけどそんなことはどうだっていい。
とにかく当時のチビッコたちが手にできた電子のメカはゲームウォッチに音がやたらとガーガーうるさいLSIゲーム。そして電子なゲームがついてる上に時間までわかる(時計なんだから当たり前だが)腕時計のセイコー『ALBA』!

懐かしいなぁセイコー『ALBA』。
お金持ちの子はみんな持ってたよ。
ヤフオクなんかで出品してるひとはいないんだろうなぁ古すぎるし・・・と思って試しにヤフオクを調べてみれば、あるわあるわセイコーの『ALBA』。
たださすがに30年以上も前の時計、しかもわんぱくなチビッコがガンガン使っていた時計だからして総じてボロい。
『ALBA当時物ジャンクで、NCNRでお願い致します』とか手に入れてどうしろというのだ。
と思ってたらデッドストックの当時物の『ALBA』が出ているじゃないか!まさにこれだよこれ!30年前のチビッコたちが憧れてた腕時計がまさに今ここに新品で出品されているこの奇跡。もちろん落札に向けてGO!だ。
意外と競り合うライバルはいそうだ。ミーと同じことを考える狂った大人が全国には何人もいるってことか。
価格は今のところ5000円。正直いくら欲しいと言っても当時の思い出を手に入れるために10000円を超えるのはつらいところ。貧乏人根性ですんません。
が・・・8200円で落札できたよ。
まぁコンビニに袋入れでぶら下がってるやっすいデジタルの腕時計と見た目なんにも変わらんわけだし、むしろどう考えても8200円は高すぎると言うのが世間一般の考え方なんだろうがミーにとっては大満足の結果だ。

落札して待つこと5日。来たよ来たよデッドストックの『ALBA』が。
開封してみますと出てきました保証書。広島の市外局番が082ではなく0822なのが時代を感じさせるこの保証書。
お買上げ日は昭和58年3月12日。
保証期間は『お買上げ日より1年間』とか書いてますから、ほんの32年前に保証は切れてますね。
買った場所は博多井筒屋。博多駅を建て替えた2007年に閉店しちゃってるみたいです。

さて時計本体を手にとって見ると・・・・こんな安っぽかったかぁ?『ALBA』
なんか子供の頃はキラキラ輝く最高級品のイメージだったけどボタンはプラスチックだろこれ、と言うかプラスチックよりもなんだか柔らかそうな塩化ビニールのような微妙にクニャクニャした押し心地。そしてベルトもバックルも異常に軽くって特にバックルはペランペラン。普通につけててはずれないの?これ。
そして保証書や本体を見ていて気づいたんだけど、どこにもSEIKOの表記がない。服部時計店としか書いてない。
そうかぁ昭和58年は服部セイコーではなくてまだ服部時計店の時代なんだ。昭和29年の初代ゴジラも平成28年のシン・ゴジラもぶっ壊した銀座の時計台が服部時計店。歴史あるよな服部時計店。

さてせっかくの『ALBA』なんだからゲームをしなくちゃいかんだろ。
どうもこの型番Y760の時計はガンマンゲームとスロットマシンができるらしい。
どれどれ説明書を読んでみると・・・何だこの字の小ささは、フォントサイズ3ptとかじゃないの。
もうこれを読み解くガッツが私にはありません。もう時計機能だけでいいです。
説明のイラストが昭和っぽくて可愛いですね。
さてこんな古くさくてダサい時計なんて誰も気にもとめないだろうと思っていたら、身につけていると意外と『それどこで手に入れたんですか』『それ何の時計ですか』とかかなり聞かれたりするのがちょっと驚き。
特に若い子から声をかけられることもあってさらにビックリ。
これはね、きみが生まれるよりも前にチビッコたちに大人気だった時計なんだよ。
昭和は遠くになりにけり、けど昭和好きはやめられないのです。